新緑

ドイツ語の「運命」

私が伊賀オケ(伊賀コミュニティオーケストラ)に入団してまだ2年しかたっていませんが、伊賀オケは発足したのが2002年で第1回定期演奏会が2004年、それから数えて今年の秋の定期演奏会は第5回ということでちょっとキばってベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」序曲とピアノ協奏曲第5番「皇帝」と交響曲第5番「運命」です。5・5・5と並んだのはたまたまだということらしいです。

もひとつキばったのが客演指揮者を迎えることです。客演指揮者を迎えるのは今回がはじめてというわけではなく、団内指揮者が病気で入院したために一昨年の定期演奏会ではきゅうきょ津田泰孝さんに来ていただいたことがありました。団内に指揮者がいて継続的に指導されるというのももちろんいいのですが、外部から指揮者に来てもらって指導を受けるというのもいいものです。

さて秋の定期演奏会に来てくれる客演指揮者は堺武弥さん(←クリック)。こういう場合「先生」と呼んだほうがいいのかな?ま、でも「さん」にしておこう。小澤征爾、佐渡裕、秋山和慶に師事し、今は日本のほかハンガリー、オランダのオーケストラで指揮をしているのだとか。1年に30回ほど日本とヨーロッパを行ったり来たりしているということでした。というわけで定期演奏会の本番までに5回ほど伊賀まで足を運んでいただいて指導を仰ぐわけですが、昨日はその第1回目でした。

開口一番

ぼくはベートーヴェンのシンフォニーを指揮するときは毎回まっさらのスコア(総譜)を買うことにしてるんです。今回も買ってきました。家には「運命」のスコアがもう40冊くらいあります。どうしてそうするかというと、毎回いろんなことに取り組んでみようと思ってるからなんです。今回、伊賀オケでひとつテーマを決めてきたことがあります。それは「ドイツ語」で運命を演奏しようということなんです。それひとつだけでいいですからやってみましょう。いや、みなさんにドイツ語でしゃべってくださいっていうわけではないんです。

堺さんが言うには・・・・日本語は語尾があいまいになりやすい。というか、語尾をはっきりと発音するよりはどちらかというと、減衰するように消えていく。日本語がそういうふうにできているのかどうかわかりませんが、たとえば「ごめんなさい」と言う場合でも最後の「い」は「ごめんなさ」までの音量よりグッと小さくなって消えるように「い」を発音します。「おはようございます」でも最後の「す」は「すいか」と言うときの「す」と同じ音量ではなく「s」とささやくように言います。

ところがドイツ語はというと、語尾をハッキリ発音しないと相手に伝わりません。とくに子音の発音は明晰に発音します。たとえば「私はあなたを愛します」をドイツ語は「イッヒ・リーベ・ディッヒ」(Ich liebe dich)と言いますが、最後の「ヒ」(ch)の発音を口の奥のほうで破裂させるようにはっきりと発音しないと相手にわかってもらえません。

同じように「運命」でもひとつひとつの音符を最後までしっかりと鳴らすこと、それが「運命」をドイツ語でしゃべるように演奏するということだというのです。なるほど、自分の弾き方をあらためて振り返ってみると音符(音価=音の長さ)の最後のほうまでしっかり鳴らすというよりは、どちらかというと減衰させるように弾くことが多いんです。

ベートーヴェンはドイツ人だから、ドイツ語のように演奏しましょうという堺さんの指導はまた楽しくて、時間があっという間にたってしまい、6時半に練習が始まって「運命」の2楽章までで8時になってしまうくらいでした。3楽章、4楽章、フィデリオはできずじまい。次に来てくれるときが楽しみです。しっかり練習しなくっちゃ・・・
by customlegend  at 23:04 |  音楽 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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