新緑

頭が痛いおからの処分

豆腐屋さんのいちばんの悩みのタネは「おから」です。漢字で書くと「雪花菜」・・・・なんともかわいらしいですね。ところがこのおから、なかなか大変なんだそうです。

豆腐をつくるにはまず原料の大豆を水に8時間から12時間ほど浸漬させてふくらませます。次に水を加えながらそれをすりつぶすと「呉」とよばれるどろどろの液体になります。その呉を煮沸してから絞ると(分離させる)豆乳とおからに分かれます。次に豆乳に「にがり」を加えて凝固させると豆腐になります。

ところで豆腐をつくる際に発生するおからは、これはこれで立派な食品・・・・いや、もっとほめるなら主役の豆腐に負けないくらいのすぐれた健康食品なんですが、残念なことにほとんどが産業廃棄物として捨てられているというのが現状です。そしてその捨てられる量たるやはんぱじゃないのです。そしてはんぱじゃないのは量だけじゃなく、その処理費用。私が調査にうかがったメーカーでは年間の処理費用(産業廃棄物としての引き取り料金)が○千万というのです \(◎o◎)/!

そこで・・・・何かに利用できないの?ととうぜん考えるわけです。

いちばんいいのは私たちが食べること。大豆は「畑のお肉」ですから健康にいいのは言うまでもありません。でも健康にいいと分かっていても売れないから、けっきょく産業廃棄物になってしまっているんですよね。そんなに美味しいものじゃないから・・・・。豆腐を買ったら必ずその副産物であるおからもついてきて(ただで?)、消費者に食べてもらうというのはどうでしょう?でもきっと「おからがついてくるなら買わない」なんてことになってしまうかもしれません。確かに、おからって、ボソボソして、お世辞にも美味しくて、美味しくて、っていうものじゃないですよね。

それならいろいろ工夫して、美味しく食べられるようにしてはどうだろうと、食品開発をする人やメーカーさんもいるようです。それについては次回のエントリーで紹介しようと思っています。

せっかく食べられるものを捨ててしまうのなら・・・・というわけで、家畜のエサにしようとする人もいます。あるいは畑の肥料にしようという人もいます。ところがです、これはまたこれでけっこう大変なんです。

まずは家畜のエサ・・・・おからのいちばんの悩みどころは水分含量です。つまり水分が多いためにとても腐りやすいということ。いくら家畜のエサといえどもやはり腐ったものはあげられません。極端な話、おからは1年間365日、毎日すごい量でてきますから、それをコンスタントに運ぶというのは、それはそれで大変なことです。しかもストックしておくと腐ってきてしまいます。さらに家畜のエサは飼料設計といってかなり綿密な計算がされていて、家畜の健康管理や肉質などに大きな影響を与えるので、食品廃棄物をリサイクルしてやればいいと簡単にはいえないのです。

水分が多くて腐りやすいのであれば、乾燥させてやればいいという考えもありますが、これまた費用対効果の関係で、はたして何千万円もする設備を導入してもとがとれるかという問題があります。それにほとんどの場合、重油を焚くことになるので環境にやさしいとはいえません。肥料にする場合はあるていど水分が含まれていても問題ありませんが、あまり多すぎるとやはり腐りやすくなってしまうので、水分の調整をうまくやってあげないといい堆肥になりません。

ところが、じつはその前に法律の壁があってなかなかひとすじ縄にはいかないのです。なんとおからは法律で産業廃棄物とされているため、産廃処理業者の免許をもたずに収集・運搬および処分を仕事としておこなうと有罪になってしまうのです。「おからは食用、肥料等として広く利用されている。社会的に有用な資源であって不要物ではなく、産業廃棄物ではない」と私は考えるのですが、最高裁判所は『大量に排出され腐りやすい』、『ただで牧畜業者に渡されている』等の点から産業廃棄物と判断しているからなんです。

ま、お金をもらって引き取ると罪になるというわけなので、ただで引き取ればいいわけですが、運搬費やら手間やらを考えると、とても勘定が合わないということになってしまうようです。

というわけで、おからは豆腐屋さんにとっては頭の痛い問題のようです。
by customlegend  at 12:00 |  農・食・環境 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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とにかく自分でやれることは何でも自分でやってしまいたい。だから何でも自分でやれるようになるので、人からは器用な人だとうらやましがられるが自己評価は器用貧乏。有機食品の認証業務の仕事をしています。

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